欧米やアジア圏から毎年多数の人がやってくる日本。その中でも訪日客に人気の体験ツアーは、コロナ過の終息とともに様々広がっている。
昔から日本のみならず、世界中のアニメオタクの間ではコスプレが人気であったが、日本特有の歴史を体験するツアーだと居合い斬りや、瓦割り体験など過去になかったものが表れてきている。
そんな中、世界では日本の寿しに注目が集まっている。2013年12月、ユネスコ世界無形文化遺産として和食が登録されて以来、和食の代表格である「寿司」目当てに沢山の外国人が日本を訪問。
日本で寿司を覚えた外国人は、母国に帰ってまた寿司を食べたくなるから、海外で和食店が増加傾向にあることをご存じでしょうか。
●海外における日本食レストランの国・地域別概数
寿司屋は世界どの国にもあります。
寿司屋または寿司を提供する日本食レストランは年々急激に増えており、出店件数が追えない状況です。
世界中で寿司職人が不足しており、海外では時給は倍以上が当たり前です。
現地で技術を教えて雇用するしかなく、教えるにも限界があり日本人の職人を待っている状況です。特に地中海沿いのスペインは職人不足で大変のようです。
日本食レストランの数だけで見ると中国がダントツです。国民数で割った一人当たりの数で見ると韓国がかなり多いですね。
都市別では人口あたりの寿司屋の比率が世界一なのはカナダのバンクーバーと言われています。
バンクーバー、東京、ニューヨーク、イスラエルが上位です。
世界で最も寿司にこだわっている都市ランキングでもバンクーバーが一位で次いでロシアやその周辺国です。
イクラの語源がロシア語の魚卵を意味しますが、ロシアと言えば以前からサーモンとマヨネーズが大好きな国なので、サーモンロール寿司が人気なのも理解しやすいですね。
日本にサーモンを寿司ネタとして勧め広めてくれたノルウェーや近隣ヨーロッパ諸国の都市がランキングされています。
欧州では食文化が豊かなフランスやイタリアが多いですね。サーモンはチーズにもよく合い、最近ではスモークドやカルパッチョ(※1)で親しまれてますので、寿司に対する抵抗は無いのだと思います。
また、昔より日本との交易が盛んなイギリス、オランダ、ドイツは日本食レストランの店舗数が多いです。
中東にも日本食レストランの店舗があるのが驚きです。
イスラムではアルコールを含むので酢はダメですし、血液は不浄なものとされているので魚の処理には気を付けないといけません。さらにイカ、タコ、貝類、ウナギなどのうろこの無い魚もNGです。
アルコールを含まない酢で許される魚で上手く運営出来ているのでしょう。
その中で人口のおよそ9割、2億人のムスリムがいる世界最大のイスラムの国、インドネシアがアジア圏内の日本食レストラン数がダントツなのは驚きです。
中南米ではメキシコがダントツです。日本で生まれた2.5キロの本マグロが太平洋を横断し、50キロ以上に育ってメキシコで網にかかり日本へ輸出されます。エビの養殖でも有名です。
次には必然的に日本からの移民が多く日本人街がたくさんあるブラジルが多いですね。
特にブラジルはアンデス、インカ文明のチリやマヤ、アステカ文明のメキシコよりも古代より高度な文明があるとされ、アマゾン川流域では養殖も盛んだったと言われています。
そして日本が協力しサーモンの養殖やウニの輸出が国の主要事業となったチリも日本食レストランが多いようです。
大陸別に見るとインドや中国があるアジアは人口が多いので店舗数はダントツに多いです。店舗数が増加している地域は日本が協力している国が多いようです。
今後のロシアや中東の店舗数は横ばいか減少傾向が考えられますが、観光立国となった日本のインパクト、影響力は年々強くなっており、日本への旅行者の数に比例して寿司をはじめとした日本食の需要は高まるのではないでしょうか。
※1:カルパッチョは20世紀半ば、牛赤身生肉により作られイタリアで生まれました。日本ではカツオやマグロなどで作られ、日本食ブームによりイタリアでも生魚のカルパッチョが食べられるようになりました。
●海外における日本食レストランの概数
欧州やアジア圏では、コロナ過後の規制解除により、日本食人気が再燃して、大手チェーン店が展開する企業が海外に進出することで約2割増となりました。
突出するのは、中南米で、約2倍の伸びとなっています。これは日本のアニメ等の影響が大きく、日本文化が外国にどれだけ影響を与えるかが伺える結果となっています。
日本食は、海外でも高級で高品質の食事としてイメージを持たれています。そして、見た目も美しく、ヘルシー且つ、安全・安心感を持たれておりますので世界中で愛される日本文化として根付いております。
欧米では、カロリーの摂取過多や偏り、生活習慣病の拡大により、ヘルシーな食事に興味が移ったとの見解があります。
このように、外国人観光客がなぜ寿司に興味を持つかがわかってもらえたと思います。
一過性の人気ではなく、今後もますます寿司は世界中で愛されていくでしょう。